ミニッツAWDモーター換装とアルミ化|MA-020に赤モーター投入と配線の罠
ミニッツAWDモーター換装とアルミ化|MA-020に赤モーター投入と配線の罠
こんにちは、中のひとアツです。
前回の[STEP 3]や[STEP 4]で前後の足回りの渋さを徹底的に取り、しなやかな“猫足”を手に入れました。足回りが整うと、次に手を入れたくなるのが「駆動系(モーター周り)」です。
今回はミニッツAWD(MA-020)のモーター換装と、ついでにアルミパーツを導入して「放熱対策&圧倒的な機能美アップ」をやっていきます。
先に正直に告白しておきます。今回私が投入したのは「X-SPEED V(通称:赤モーター)」ですが、中古で入手した個体のため、外観は全く赤くありません(笑)。見た目は地味ですが、アルミパーツと組み合わせることで「いざ走らせたら応えてくれる仕様(そして何より所有欲を満たすエンジンルーム)」に心臓部を整えていきます。
この記事で分かること
☑ MA-020への赤モーター(X-SPEED V)換装と「配線逆接の罠」の回避法
☑ アルミモーターホルダーの枝番(-01/-02/-03)の違いと選び方
☑ 初心者必見!「自転車」で分かるギア比の法則とバックラッシュ調整
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| ステップ | 内容 | 記事リンク |
|---|---|---|
| STEP 0 | 入門ガイド・選び方 | ▶ 基礎はこちら |
| STEP 1 | 方向性と現状確認 | ▶ 記事へ |
| STEP 2 | ジャイロユニット取付 | ▶ 記事へ |
| STEP 3 | フロントサス改良 | ▶ 記事へ |
| STEP 4 | リアサス調整 | ▶ 記事へ |
| STEP 5 | モーター換装 | 今ココ |
| STEP 6 | DWS換装 | ▶ 続きへ |
1. MA-020モーター換装とアルミ化の全体像
今回の作業の目的と、初心者がハマりやすいポイントを整理しておきます。
| 作業内容 | 目的 | 初心者がハマりやすい罠 |
|---|---|---|
| モーター交換(赤モーター等) | 出力アップ | 配線の位置を間違える |
| アルミモーターホルダー | 固定剛性のアップ・放熱 | 枝番(-01/-02/-03)で迷う |
| アルミモーターカバー | 放熱補助・見た目の向上 | ネジを締めすぎて樹脂を壊す |
| バックラッシュ確認 | 抵抗・発熱の抑制 | ギアの噛み合わせがキツすぎる |
【用語ミニ辞典】作業のストレスを半分にする知識
- ピニオンギア:モーター側の小さいギア(歯数を「T」で表す)。
- スパーギア:車軸側の大きいギア。
- ギア比:“回転の軽さ”と“最高速”のバランスを決める比率。
- バックラッシュ:ギア同士の“適度な遊び(隙間)”。
- 熱ダレ:モーターが熱を持ち、出力が落ちたり動きが重くなる状態。
今回使用するパーツ構成と「X-SPEED V」を選んだ理由
- ☑ 京商 X-SPEED Vモーター(MDW023) ※通称:赤モーター(今回は中古を使用)
- ☑ 京商 アルミモーターホルダー(MDW007-03)
- ☑ 京商 アルミモーターカバー(MDW027)
【免責事項・注意】
本作業はモーター配線の着脱を伴います。配線を間違えると基板がショートして破損する恐れがあります。作業は必ず自己責任で、慎重に行ってください。
2. 【最大の罠】モーター配線は「元の状態」が絶対の正解
作業に入る前に、絶対に守るべき鉄則を一つだけ言います。ここをミスると、本当に心が折れます。
中古モーターやストック品を買うと、古い世代のシャシー向けの説明書が混ざっていることがあります。その図の通りにMA-020へ配線すると、前進のつもりがバック(逆回転)になったり、最悪の場合は基板がショートして一発で壊れます。
だから、作戦はただ一つ。
「外す前に自分のスマホで撮影し、その写真の通りに戻す。」
これが最強の自衛策です。
私の購入した古いモーターは配線が逆になっている説明書がついていました。
① 配線を外す前に写真を撮る
基板側でモーター配線を止めている極小ビスを外しますが、その前に「どこに何色のケーブルが刺さっているか」を必ず写真で残してください。
(※「黒が中央側/赤が外側」になりがちですが、個体差やロット違いもあるため、自分の写真が最優先です)

② モーターを取り外す(押し出し穴を使う)
樹脂製のモーターカバーを外したら、モーター本体を取り出します。
この時、配線を引っ張って抜こうとすると絶対に断線します。シャシーの裏側などにある「押し出し穴」に細い工具を挿し込み、テコの原理で下方向へ「グッ」と押し出してください。固い時は焦らず、ゆっくりと抜け道を作ります。


3. アルミモーターホルダーの「枝番」の考え方と組み込み
新しいモーター(X-SPEED V)に「アルミモーターホルダー(MDW007シリーズ)」を組み込みます。
このホルダーには「-01 / -02 / -03」という枝番があり、初心者は必ず迷います。ざっくり言うと、「対応しやすいピニオンギアの歯数レンジの目安」です。
| 品番(枝番) | 目安の傾向 | 適合しやすいピニオン例 |
|---|---|---|
| MDW007-01 | 加速寄り | 15T / 17T 付近 |
| MDW007-02 | バランス | 17T / 19T 付近 |
| MDW007-03 | 最高速寄り | 19T / 21T 付近 |
※最終的な適合は、必ず京商公式の適合表で確認してください。
なぜ「MDW007-03」に「19T」を組み合わせたのか?
今回、私は「最高速寄りのホルダー(-03)」に対して、あえて少し小さめの「19T」のピニオンギアを組み合わせています。
いきなり最大の21Tにすると、モーターへの負荷が激増し、発熱や抵抗のトラブルが起きやすくなります。まずは19Tで組み、「回転の軽さ」と「スピードの伸び」のバランスを確認するのが、車体を壊さないための安全なセッティング術です。

4. 【深掘り】ピニオンとスパーが起こす「ギア比」の魔法と自転車の法則
モーターを換装する際、必ず直面するのが「ピニオンギア(モーター側の小ギア)」と「スパーギア(車軸側の大ギア)」の組み合わせ、いわゆる「ギア比」のセッティングです。
「とりあえずピニオンの歯を増やせば最高速が上がるんでしょ?」と思いがちですが、実はそんな単純な話ではありません。この仕組みは、「自転車の変速機(ギア)」をイメージすると一発で理解できます。
- ローギア(ピニオン小):自転車の「軽い1速」
漕ぎ出しはフワッと軽く(加速が鋭い)、ストップ&ゴーも得意ですが、いくら全力で漕いでもスピードの頭打ちが早いです。その代わり、足は疲れません(モーターの負荷・発熱は低い)。 - ハイギア(ピニオン大):自転車の「重い6速」
漕ぎ出しは「よっこいしょ」と重く(加速が鈍い)、一度スピードに乗ればグングン最高速が伸びます。ただし、常に重いペダルを踏むため足はパンパンに疲れます(モーターの負荷・発熱が極大になる)。
この法則を踏まえて、MA-020の代表的な組み合わせと相関関係を表にまとめました。
MA-020 ギア比セッティング早見表
| スパー | ピニオン | 自転車の例え | 走行特性・フィーリング | モーター負荷(発熱) |
|---|---|---|---|---|
| 31T | 15T | 軽い1速 | 【加速重視】 立ち上がりが鋭く、狭い部屋での細かいドリフトがしやすい。 | 低 (熱ダレしにくい) |
| 29T | 17T | ↓ | 【バランス型】 加速と最高速を両立。フローリングからカーペットまで万能。 | 中 |
| 27T | 19T | ↓ | 【最高速重視】 ストレートの伸びが良い。広いウレタンサーキット向け。 | 高 (発熱に注意) |
| 27T | 21T | 重い6速 | 【超・最高速仕様】 圧倒的なトップスピード。ただしモーターパワーが食われ加速は鈍る。 | 極大 (熱ダレ・寿命注意) |
【アツのワンポイント解説】
ドリフト走行は「常にタイヤを空転させ続ける(=ストップ&ゴーを繰り返す)」ため、モーターにはただでさえ大きな負担がかかっています。
そこにいきなり最高速に振り切った21T(重い6速)を入れると、モーターは熱ダレを起こして悲鳴を上げます。だからこそ、私は少し余裕を持たせた「19T」からスタートし、熱ダレとスピードの伸びのバランスを取る安全策を選びました。
5. 【最重要】発熱を防ぐ「バックラッシュ(噛み合わせ)」の確認
モーターをシャシーに組み込んだら、配線を繋ぐ前に「バックラッシュ(ギアの噛み合わせ)」を必ず確認します。ここの調整が、モーターの発熱や寿命に直結します。
発熱のメカニズム
モーターが頑張る(負荷が高い)ほど電流が増え、熱が出ます。ギアの噛み合わせが「キツすぎる」と、それだけで猛烈な抵抗(負荷)となり、あっという間に熱ダレを起こします。アルミパーツの放熱効果も、ギアがキツければ焼け石に水です。
| バックラッシュ状態 | 症状(どうなるか) | 直し方の方向性 |
|---|---|---|
| キツすぎ | 回転が重い/モーターが異常に熱い/ギャーという異音 | 噛み合わせを緩める |
| ゆるすぎ | カチカチ異音がする/歯飛びする/ギアが異常摩耗する | 噛み合わせを詰める |
| 適正 | 指でタイヤを回して、引っかかりなくスムーズに回る | そのままでOK |
タイヤを指で回してみて、変な抵抗がなければ完璧です。発熱対策で一番効くのは、高級な放熱パーツを買うことではなく、「ギアを軽く回る状態に調整すること」なのです。

6. 万が一やらかしてしまった時の復旧ガイド
ミニッツは「やらかしたら終わり」ではありません。たいてい戻せます。
初心者がパニックになりやすいトラブルと解決策をまとめました。
| 失敗(症状) | まずやること(解決策) |
|---|---|
| 逆回転(バックする) | 配線ミス。写真を見て左右を繋ぎ直す |
| タイヤが回らない・熱い | ギアがキツい。バックラッシュを再調整する |
| 動作が不安定・止まる | 配線の噛み込み・断線を疑う。取り回しを見直す |
7. まとめ|盆栽派の特権、見て楽しい・使って一流の“エンジンルーム”へ
バックラッシュが適正なら、STEP 1で撮った写真を見ながら元の通りに配線を基板にネジ止めします。配線がギアに干渉しないよう美しく取り回し、最後に放熱フィンが美しい「アルミモーターカバー(MDW027)」を装着すれば完成です。

さて、赤モーター(中古で赤くないですが)とアルミパーツを組み込んだ結果、走りはどう激変したのか?
……正直に言います。盆栽派の私には、実走行での細かいメリットはよく分かりません!(笑)
ドリフトの飛距離が伸びたとか、タイムが縮んだとか、そういう競技的なレビューは他のガチ勢にお任せします。
でも、「物欲と所有欲」は確実に、そして完璧に満たされました。

(※ここに画像挿入:「白文字を入れたエアインテークのアップ写真」 / alt属性:「白文字塗装でディテールアップしたMA-020のアルミモーターカバー」 / キャプション:アルミモーターカバー付属のエアインテークに白文字を入れて大満足)
ボディを外した時に現れる、アルミパーツのひんやりとした質感とメカニカルな密度感。私は我慢できず、カバーに付属している樹脂製のエアインテークの極小モールドに、自作で「白文字」を入れてディテールアップしてしまいました。
これを入れたからといってタイムが縮むわけでも、放熱性が上がるわけでもありません。ただデスクに置いて眺め、一人でニヤニヤするための自己満足です。
飾って眺めるだけで極上の酒のつまみになり、いざ走らせれば(よく分からんけど)一流のレスポンスで応えてくれる。このロマンこそが、盆栽カスタムの到達点です。
さて、次回はいよいよ盆栽カスタムの極致。
リアのストラットサスを取り払い、実車さながらのメカニカルな構造を持つ「リアダブルウィッシュボーン(DWS)化」という大工事に進みます!

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