こんにちは、中のひとアツです。
前回(STEP 2)は、サスペンション改良をすっ飛ばして「ジャイロユニット」を取り付け、電子制御という現代のロマンを手に入れました。
でも――
まだ足回りはノーマルのままです。
今回はカスタマイズ第3弾。フロントサスペンションの「渋さ解消」と「スプリング交換」に着手します。派手なアルミパーツを入れるわけではありません。地味な作業ですが、走りと質感への効果は確実。盆栽派だからこそ、まずはこの基礎工事を徹底的に整えます。
この記事で分かること
☑ ミニッツAWD(MA-020)のフロントサスの「渋さ」の原因
☑ 耐水ペーパーとTKフッ素コートを使った摩擦低減の極意
☑ 赤バネ(SOFT)への交換手順と、極小パーツ紛失のヒヤリハット
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| ステップ | 内容 | 記事リンク |
|---|---|---|
| STEP 0 | 入門ガイド・選び方 | ▶ 基礎はこちら |
| STEP 1 | 方向性と現状確認 | ▶ 記事へ |
| STEP 2 | ジャイロユニット取付 | ▶ 続きへ |
| STEP 3 | フロントサス改良 | 今ココ |
| STEP 4 | リアサス調整 | ▶ 続きへ |
| STEP 5 | モーター換装 | ▶ 続きへ |
| STEP 6 | DWS換装 | ▶ 続きへ |
1. ミニッツAWD(MA-020)フロントサスの現状確認
[前回のSTEP 1(MA-020の方向性と足回りの現状確認)]でも触れましたが、まずは箱出し(ノーマル)状態のフロントサスペンションの動きを確認します。
車体を平らなデスクに置き、フロント部分を上から指でゆっくり押してみてください。
押してみると、以下の症状が出ませんか?
- カクつき(段付き感)
- 戻りの鈍さ
- 微妙な引っかかり
新品だから完璧に動くとは限りません。この状態のままオプションパーツを入れても、変化の本質は絶対に分かりません。まずはこの「渋さ」を取ることが最優先です。
2. ミニッツAWD(MA-020)のフロントサスに“渋さ”が出る原因
主な原因は、以下の3つの物理的な抵抗です。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 成型バリ | 樹脂パーツの製造時にできる微細な段差 |
| 摩擦抵抗 | 樹脂パーツ同士が擦れ合う接触抵抗 |
| キングピン抵抗 | サスが上下動する軸(キングピン)の引っかかり |
MA-020のフロントサスペンションは「キングピン方式」です。構造がシンプルで強度が保てる反面、上記のような摩擦の影響がダイレクトに出やすいという弱点があります。
3. フロントサスの渋さを取る必須アイテムと「なぜそれを使うのか」
この渋さを解消し、極限まで滑らかな「猫足」を作るために、私が絶対の信頼を置いているアイテムの理由を表に整理します。
| アイテム | 用途 | なぜ必要か?(アツのこだわり) |
|---|---|---|
| TKフッ素コート | 摩擦低減 | ベタつかず、ホコリを吸わない極薄被膜を作るため |
| 耐水ペーパー(#1000〜2000) | バリ取り | 水研ぎにすることで摩擦熱を抑え、樹脂を傷めないため |
| MDW201 フロントスプリング | バネ交換 | 初期ストロークを柔らかくし、質感を向上させるため |
| 精密ドライバー(#00) | 分解用 | 極小のネジ山をなめない(潰さない)ため |
なぜ「グリス」ではダメなのか?
ミニッツの足回りに、タミヤのセラグリスなどのベタつくグリスは基本NGです。
理由はシンプルで、室内走行が中心のミニッツでは、グリスが床のホコリや髪の毛を猛烈に吸着してしまい、長期的に見るとかえって動きが重くなるからです。
サラサラの被膜を作る「ドライ系(フッ素コート等)」の方が圧倒的に扱いやすく、動きも安定します。
なぜ乾いたヤスリではなく「耐水ペーパー」なのか?
乾いた紙ヤスリで樹脂を削ると、摩擦熱が発生して樹脂の表面が荒れてしまいます。
水をつけて研ぐ(水研ぎ)ことで、熱を抑え、均一に、そして極めて滑らかに仕上がります。「削る」のではなく、あくまで「整える」感覚です。
今回使用した必須アイテムまとめ
- ☑ 京商 TKフッ素コート(TK-005)
- ☑ タミヤ 耐水ペーパー(#1000〜2000)
- ☑ 京商 フロントスプリングセット(MDW201等)
- ☑ 京商ツール 精密ドライバー(#00)
4. 【実践】MA-020フロントサスを極上の「猫足」に整える4ステップ
(※SWELLの「ステップブロック」などを使って手順を視覚的に見やすくすると効果的です)
① フロントサスペンションの分解
フロントのキングピン、アーム、スプリングを外します。繰り返しますが、ネジは必ず「#00」の精密ドライバーを使用してください。
② 【最重要】ボールエンドの当たり出し(リーマー代用)
ここが一番のキモです。サスアームの先端にある「ボールエンドの穴」の内側を軽く整え、摩擦を減らします。
本来は専用の「リーマー」を使うのが理想ですが、持っていない場合は以下の工具でも代用可能です。
- ベアリングリムーバー
- 同径のドリル刃
- ヘックス(六角)ドライバー
これらを穴に差し込み、グリグリと回して、ボールがスムーズに動くように少しだけ穴を拡げて(整えて)いきます。
※注意:削りすぎは厳禁です!やりすぎると足回りにガタが出て、まっすぐ走らなくなります。

③ キングピンの研磨
サスペンションの軸となる「キングピン」も、耐水ペーパーで軽く磨くだけで上下の動きが劇的に改善します。これも過度に削って細くしすぎないよう注意してください。
④ TKフッ素コートの施工(極薄&完全乾燥)
整えたボールエンドの穴、ボールエンド金属パーツ、キングピンに「TKフッ素コート」を塗布します。ポイントはとにかく“極薄”に塗ること。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| よく振る | ボトルを振り、成分(フッ素粉末)を均一にする |
| 極薄塗布 | 塗れているか分からない程度の薄さでハケ塗りする |
| 完全乾燥 | 生乾きでの組み付けは厳禁 |
フッ素コートの溶剤が乾ききらないうちに樹脂パーツを組み上げると、溶剤が樹脂を侵して割れてしまう「ケミカルクラック」のリスクがあります。
ここは絶対に焦らず、塗った後はコーヒーブレイクでも挟んで完全に乾燥させましょう。
5. ミニッツAWD専用スプリングへの交換|私が「赤バネ(SOFT)」を選ぶ理由
基礎工事が終わったら、いよいよスプリング(バネ)の交換です。
今回は、オプションのフロントスプリングセット(MDW201等)の中から、一番柔らかい「赤(SOFT)」を選択しました。
あえて柔らかめにすることで、以下のメリットが生まれます。
- 初期ストロークが滑らかになる
- 上から指で押したときの「スッ」と沈む質感が向上する
フローリングでのドリフトにおいて、フロントが適度に沈み込むことで荷重移動がしやすくなり、操作感も格段に良くなります。
6. まとめ|フロントサス改良後の劇的な変化と盆栽派のこだわり
すべてのパーツを組み上げ、再びフロントを指で押してみてください。
明らかに違います。
スッと沈み、パッと戻る。嫌な引っかかりは一切なし。これぞ極上の“猫足”です。
なぜ、派手なアルミパーツを入れる前に、こんな地味な作業を徹底するのか?
それは、ノーマルを整えずにオプションパーツを入れても、「何が変わったか分からない(比較軸がない)」からです。無駄にお金がかかるだけで、盆栽派としては一番避けたい失敗です。
そして何より、「見て楽しむ美しい盆栽が、いざ使ってみても超一流の動きをする」。
このギャップこそが、大人のホビーの最高の贅沢だと思いませんか?
【警告】小さな赤バネは、本当に飛びます
最後に一つだけ、経験者からの生々しい警告を。
ミニッツの極小スプリングは、ピンセットで摘んだ瞬間に「ピーン!」と弾け飛んで異次元へ消え去ります。
私は撮影中に一度紛失しました。2度と会えない気がします。
作業は必ず明るい場所で、パーツをなくさないよう細心の注意を払って行ってくださいね。
次回は、フロントに続いて「リアサスペンションの調整」です。
フロントの動きが良くなった分、前後バランスを整え、より自然な姿勢を目指します!
▶ 次の記事:[STEP 4:リアサス調整|トラクションを最適化する]

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